押さえておきたい 住宅ローン返済計画

生命保険会社を退社し、ファイナンシャルプランナーとして独立して早9年、年々相談件数は増えてきています。その中でも、保険の見直しや住宅ローンに関する相談が大半を占めています。

特に、2009年度の与党税制改正大綱において、過去最大規模の住宅ローン減税が盛り込まれたことにより、住宅購入の意欲が高まり、住宅ローンに関する相談が急増しています。

そこで、日頃から相談者に私からアドバイスしている事例を紹介したいと思います。

【相談事例】

Q 5,000万円の物件があるのですが、私の収入で購入は可能でしょうか?

現在、40歳で貯蓄残高は1,000万円ありますが、頭金とローンの割合はどの位にしたらよいでしょうか?

A-1 将来のキャッシュフロー表を作成します

収入と支出は個々の家庭で異なることから、まず始めに、今後の収入と支出を予想し、キャッシュフロー表を作成します。この際、収入は少なめに(昇給が確実ではなかったり、減収の可能性にも考慮する)支出は多めに(物価の上昇やライフスタイルの変化を考慮する)見積もることがポイントです。

キャッシュフロー表上の収入と支出の差額が毎年の住宅ローンの返済可能額となります。

一般的には年収の25%程度が返済可能額と言われており、金融機関の審査もこの程度の基準になっていますが、借入が可能でも返済が可能であるとは限らないことがありますので注意が必要です。

具体的には、ボーナスの減少や、子供の教育費がかさむ時期などに、返済が困難となる場合があるからです。

A-2住宅ローンの借入額と返済期間を決めます

次に、キャッシュフロー表上の返済可能額に基づき、借入額と返済期間を決めますが、住宅ローン金利により、大きく左右されることになります。すなわち、金利が高くなればなるほど、借入額を小さくするか、返済期間を長くする必要があるからです。

住宅ローン金利の種類には、全期間固定金利型、変動金利型(6ヵ月毎に変動)、固定金利選択型(2年~20年の一定期間金利が固定)がありますが、安易に金利が低いことだけで選ぶことは危険です。将来の金利上昇は非常に大きなリスクとなることから、まずは固定金利型で、借入額と返済期間を決めることが無難といえます。例えば、借入額4,500万円、借入期間35年、35年(全期間)固定金利3%の場合、年間返済額は約208万円となります。キャッシュフロー表により、年間返済可能額がそれ以上の金額になっていればよいことになります。よって、5,000万円の物件であれば、頭金は500万円程度になります。

現在の貯蓄が1,000万円あるとして、全額を頭金に投入せず、手元資金を残すことも重要となります。

住宅ローンの諸経費、火災保険、転居費用等、諸経費が150万円程度はかかりますし、不測の事態に備えた「緊急予備資金」としての貯蓄を300万円程度は確保しておきたいものです。

A-3具体的な返済計画を固めます

住宅ローンの返済計画とは、いかに効率よく返済を行い、総支払金利を抑制するための計画を練るということです。言い換えれば、いつまでに返済を完了するかを考えることです。

例えば、現在の返済可能額を考慮し、40歳で35年ローンを組んだ場合、75歳まで返済することになりますが、年金生活に入った後もローンを返済することは避けたいものです。そこで、定年退職の65歳までにローンを完済できるような返済計画をたてることになります。つまり、実質的な返済期間は20年となりますので、35年固定金利より金利の低い20年固定金利(返済期間は35年)を選択することにより、年間返済額を少なくします。また、55歳から60歳頃までは子供の教育費がなくなり、キャッシュフローが大きくプラスに転じることから、毎年、一部繰上げ返済も可能となり、返済期間を短縮することができます。よって、65歳時の残高も退職金の一部で十分完済できることになります。

A-4住宅購入時の生命保険の見直しをすすめます

住宅ローンを組み、住宅を購入した場合、通常は団体信用生命保険がついています。借主が死亡(高度障害)した場合は生命保険金によりローンが完済されます。よって、必要保障額はその分減少することになります。

その反面、病気や事故により長期入院した場合には、ローン返済が困難になるリスクがあります。

よって、死亡保障を削り医療保障を充実するような生命保険の見直しをお奨めします。

おわりに

この他にも、住宅の購入を機に、家計の節約を心がけたりすることも大事なことです。ただし、住宅ローンを返済することに追われてしまうのは味気ないものです。

なるべくなら、ゆとりのある生活を送りたい・・・そんな人達のお役に立てれば幸いです。

担当FP
担当FP